都市伝説・陰謀論

【閲覧注意】チンパンジー に人間との子供を出産させようとした? タブーに触れた科学者の狂気





2021年4月、人間の細胞を含んだサルの胚が、米中の研究チームによって

つくられたと15日付の米科学誌「セル」で発表された。

サルの胚に人間の幹細胞を注入し培養に成功したのだという。

<元論文より引用>

この研究は、将来移植用の臓器などを動物で作らせる事を

目的としているが、胚が完全に成長した場合、ヒトの脳を持つサルが、

ヒトが妊娠できる精子や卵子を作る個体になる可能性もあるのだとか。

このような予想できないリスクを避けるため、研究者たちは

このキメラ胚を受精後19日目に破壊したのだという。

このニュースの他に、2019年には中国でヒトの遺伝子をサルの

脳に移植し、その認知機能を改善させることに成功したという

研究結果も発表された。近年、このようなヒトとサルの“融合”

に関する実験が行われ、倫理面で問題視されている。

1900年から“ヒューマンジー”の誕生を目指していた

このような実験、例えばチンパンジーと人間の混血である

”ヒューマンジー”を誕生させようとする動きは、少なくとも

1900年まで遡ることができるという。

人類学者で生理学者でもあるハンス・フリーデンタールは、

人間と血液が非常に類似している類人猿がいることに気づき、

人間との間で子どもをつくることができるかもしれないと考えた。

また、性科学者ヘルマン・ローレデルは交雑種が進化の正しさを

証明してくれると考え、繁殖実験のために尽力した。

しかし、これらは実験の実現には至らなかった。

人口授精のパイオニアが実験にこぎつける

そんな中で、ロシアの生物学者イリヤ・イワノビッチ・イワノフも ヒューマンジー繁殖に強く惹かれた人物であった。

彼は人工授精のパイオニア的存在であり、すでにシマウマロバ

かけあわせたゾンキーなど、他の動物でいくつか交雑種を生み出していた。

そして次はヒューマンジー実験への援助を得ようと、

方々に協力者を探し求め、1927年にはそのタブーとも思われる

恐ろしい実験の実現にこぎつけたといわれている。

チンパンジー に人間の精子を注入

イワノフはフランス領ギニアの総督から、植物園の一部の使用と、

チンパンジー捕獲の許可を得ると、1926年11月、ソビエト政府から

援助された資金を元に仏領ギニアでの実験を開始した。

イワノフはハンターを雇い、13頭のチンパンジーを網で捕獲。

そのうちのバベッテシヴェッテと名づけられた2頭は生理があったため、

1927年2月8日の朝、医学生だった22才の息子と一緒にその2頭を

網でとらえて押さえつけ、地元男性から採取した精子を生殖器に注入したという。

しかし、結果は失敗。2頭ともに次の生理を迎えたのだった。

ちなみに、チンパンジーが暴れ、自らの身に危険がおよんだ場合に備え、

父子はポケットに拳銃もしのばせていたのだとか。

三頭目のチンパンジー ブラック

6月25日、二人は再びブラックという名前のチンパンジーで実験を行い、

その時はクロロエタンで眠らせてから精子を注入した。

しかし翌月、イワノフがブラック、バベッテ、シヴェッテの他に10頭の

チンパンジーを連れてソビエトへと帰国する途中、ブラックが死んでしまい、

解剖の結果、妊娠していないことがわかったのだという。

実験台を申し出た女性

それでもイワノフはあきらめきれていなかった。

イワノフはイニシャルで“G”という女性から、自分を実験台にして

欲しいといった内容の手紙を受け取った。この女性は自身の人生を悲観し、

生きる意味を失ったが、科学のためになるのならと申し出たとのことだった。

イワノフには渡りに船だっただろうと容易に想像できる。実はイワノフは

アフリカ人女性の同意を得ずにそうした実験を行おうとし、それを知った

ソビエト政府を激怒させた事もあったらしい。

イワノフは当時、検査の結果から、ソビエトに一頭だけいたオスで

思春期後の類人猿であるターザンという名前のオランウータンから

精子の採取をすることを考えた。

しかし、実験前の1929年6月、ターザンが脳出血で死んでしまい、

彼の夢が実現することはなかった。

そして、その後の1930年12月、政治の風向きが変わったのか、

反革命的運動を支持したとして、イワノフは秘密警察に逮捕されてしまう。

彼は翌年に釈放されたものの、1932年3月20日にその生涯を終えたのだという。

ヒューマンジー誕生の可能性は?

人間と類人猿の交雑種を生体から誕生さることができるのかどうかは、

いまだはっきりしない。

インターネット上では、実際にヒューマンジーが作られたと聞いた心理学者の話や、

そもそも今の人類自体が一度、チンパンジーと交わっている可能性が高いが、

タブーすぎて発表できないと言う進化遺伝学者の話など、

まことしやかな情報も確認できる。

コーネル大学ワイル医学校の生殖生物学の名誉教授J・マイケル・ベッドフォードは

1977年に発表した論文のなかで、ヒトの精子が、サル以上に遠い種の卵子には

突き刺さらないものの、テナガザルの卵子には付着することを発見している。

受精するには精子が卵子に付着しなければならないが、

彼は「チンパンジーの中で精子が生き残りさえすれば、受精の可能性はかなり高い」

とも発言している。

冒頭にふれたニュースのように、細胞の注入や遺伝子の移植のような人工的な融合は

行われているが、受精といった生体への自然的な交配が成功したというニュースは

現時点ではない。

しかし、イリヤ・イワノビッチ・イワノフのような科学者が今もどこかで恐ろしい

実験を行っていたら?

もしかしたら、明日にもヒューマンジー誕生のニュースが世界を震撼させるかもしれない。

<参考文献>

ジョン・コーエン 著

チンパンジーはなぜヒトにならなかったのか : 99パーセント遺伝子が一致するのに似ても似つかぬ兄弟

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